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中国とは


中国からの手紙・・・



  これは旅をはじめてから2ヶ月、1999年の10月に北京から友人宛てに出した手紙(旅通信)です。 ロシアーモンゴルーを経て中国に入り、チベットに抜ける予定だったのですが、 北京で「北朝鮮に入国することが可能」との情報を入手。色々迷っている様子が伺えます。  今読み返すと、あらためて「ああ、人民兵は中国が大嫌いだったんだな」 と驚きます。 フォローじゃないけど、今は中国の人たち大好きですよ。





拝啓

皆様お元気でしょうか? 
中国に入って3週間が経ちました。 モンゴルにいた時は笑顔・笑顔のオンパレー ドで、仲良くなった女の子には 「Why are you always so smiling?」 と何度も訪ねられた ぐらいでした(美人姉妹と仲良くなって、毎日ちやちやほやほやされていたのでそ うなっただけなんだけど)。 自分でも不思議なくらいに俺ってこんなにいい人だったろうかと考 え込むような日々でした。ところがギッチョンチョン(死語)、中国に入るや否やガラリと変 わり、今では5〜6年振りに心に毒が充満しているのをヒシヒシと感じます。  

「中国でイチイチ怒ってたらやってられないですよ。」

「中国では怒らないと何も始まらない。」  

相反する2つの言葉を日本人旅行者から聞きましたが両方とも真実だ と思います。 日に5〜6度は 「人民兵をなめんな オラ!!」 と叫んでいる男からの手紙ですので 多少の表現の行き過ぎはあると思いますが、そこはご容赦ください。



中国人民について・・・ 

中国で出会った人民(レンミンと読む)の8割以上が私の目には「敵」と映った。 単純計算すると、この人民兵には少なくとも800,000,000(八億人)の 敵がいることになる。 勘弁してください。

同じ人民でも、北朝鮮人民は 街を歩いていても誰も口を開いていないし、目が合うことすらなかった。 ちり一つ落ちていない市街はぞっとするほど寂しかった。 しかしながら、中国では全く正反対の怖さがあった。

紫禁城 そのあまりの大きさに北海道がすっぽり収まるという・・ (*右の写真は北京にある紫禁城、見所はいっぱいあるんですけどねぇ*)

中国では使ったお金に正比例して、旅の快適さが増してゆく。  中国の列車の硬座(一番下の等)に乗るとわかるが、そこにいる人 民は、これみな敵である。 マナーを守りましょうとか そういう問題をとおり過ぎている。

ツバを吐く。タンを吐く。それも隅 に・・・といった気遣いは全くなく、足元か通路に堂々と吐いている。たまに罪ほろ ぼしのつもりか足でこすって広げている奴がいる。 百パーセントの男がタバコを吸う。 灰を落とす。 吸い がらを消さずに通路に捨てる。声が異様にデカイ。 昼夜を問わず誰かが何かを叫んでいる。

列車はいつも必ず満席なのに、人がほんの少し席をどけると、誰かが必ず靴のまま座席に足を投げ出す。 この足がいい蒸れ具合に仕上がっている。 これまた異様 に声の大きい物売りがひっきりなしに何かを売りに来る。 物売りから買ったアイスクリーム の袋を捨てる。 棒を捨てる(袋の中に棒を入れて捨てたら少しはましになるだろうけど そんなことは決してしない)。 向日葵の種を食う。 バリバリ食う。 皮を捨てる。 スイ カの種をとばす。 足元に皮を捨てる。 袋に入れて動物を持ち込む。 ドンゴロス(ズタ 袋)に入ったアヒルがガアガア騒ぐ。 

アヒルを外に出して、彼らが袋に入った方が ずっと居住性が良くなる のだが、彼らはそんなことしてくれない。 私はまだ経験していない が、列車の通路で子供に小便させるというのも多いそうだ。 列車の服務員は深夜だろうが早 朝だろうが、全客をたたき起こして2時間に一度は掃き掃除をする。 その都度、巨大 なゴミ袋に2杯分くらいのゴミが一車両から出る。

その他、飲んだビール瓶を窓から捨てて楽しむ。 カップラーメンの汁を飲み干さず に足元に捨てるから何かの拍子に、足元が汁だらけになる・・・ 夜通し走っている 列車も多いけれど、一睡もできなかった。  ここに書いたようなことは、一部 の人間が一部でやっているわけではなく 乗客の8割が普通に行っていることだ。

「俺がここで小便したらこいつらは怒るだろうか?」と真剣に思った。目的地に着くと、 ボクサーでもないのに自然にガッツポーズが出る。

硬臥(寝台車両。値段3倍強)に乗っている客 はそんなことはしないという事実にショックを受けた。 とてもフレンドリーでいい人が多い。  噂では 中国は天安門事件(1989年)の直後と1996年頃にそれぞれ交通機関の料金を一気に 2倍ほど引き上げたらしい。当時の凄惨な列車内と比べると人民兵が乗った車内は天国みたいなものだそうだ。

不思議に思って訳を尋ねる と、中国に十年近く通っているという大学院生は事も無げにこう言った。

「社会の最下層のゴミみたいな連中がそれで乗れなくなったからですね。」

お恥ずかしい話 私は生まれた時から貧乏だ。 人民兵を名乗るほどのプロレタリアを捕まえてなんてことを・・・、少しムッとして

「じゃあなんですか! 貧乏人はマナーもなく教育もされていない、 礼儀知らずで心も貧しい人達だというんですか?」

と彼に詰め寄ると、その大学院生はこともなげにこう言った

「少なくとも中国ではそうなんです。」

国中どこに行っても人糞やら生ごみやらが町のいたるところに積み上げられているのを見て、中国は巨大なゴミ箱 なんだと思った。 旅で出会った人に「中国に行って人民からひどい目にあった」と言うと「でも彼達は一度仲良 くなるとホンットに親切にしてくれるよ」とよく返される。 多分きっとそうなんだろう。

そう返されたら私はいつもこう言っていた。

「奴らはシンなんです。 僕はユリア。 シンは力で略奪した世界全てを ユリアにあげようとした。 ユリアは拒否した。 そんなものは いらないんです。 ユリアは 他所から搾取した物を愛として与えてもらっても 嬉しくないんです。」

そんな最下等の列車に乗っていると、列車乞食がよく出没する。たいてい手足のない彼らは 大声で下手な歌を歌う。「お金あげるからその歌を止めてくれ!!」と叫びたくなる(あげませんけど)。 意外なことに多くの人民は彼らにお金を恵んでいた。 その光景を見ていると、 アル・カポネが孤児院に寄付したり、笹川良一が発展途上国に何十 億円も送っていることとダブってくる。「その前にやることあるやろうが!!」と思わずにいられなかった。



中国の性について・・・

中国は表現の自由に厳しい。乳首の写真も出してはいけない。カ ラー印刷はあるが、質はあまり高くない。エロ雑誌なんかでも、表紙以外はザラ紙で 全て漢字の単色で刷られていた。 そのくせ、街には性に関する物が溢れている。 何処に行っても普通の 薬局にコンドーム、ペッサリーはおろか、ローション、媚薬、シリコンリング、電動 バイブ、人工膣(男性用)まで売っている。 それらがあくまで普通に 頭痛薬 とかの 横に並んでいるのは壮観でもある。

因みにエロ本には

「我、君の乳をもみたいと思う。」

「アイヤー。」などと書いてある。

全く興奮しない。性病に関するポスターもあちこちに貼られており、梅毒、淋病など の性病医を普通の病院の何倍も見かける。 特定の相手とだけ行っていれば蔓延はしないの ではないかと思い、中国の性の乱れを憂いた。 因みにモンゴルで仲良くなった女の子 は「結婚するまで貞操を守る。」と言っていた。 一つ屋根の下に2人っきりで眠 る機会が幾度かあったが、「結婚しよう。俺が戻るまで待っていてくれ。」とは決し て言わなかった事を付け加えておく。 中国の性はモンゴルよりは乱れているらしいが、実 際結婚まで守りとおす例もまだ多いらしい。 試しに2人ばかりSEXしようと言ってみたがダ メだった。 ま、会って一時間くらいで「我想性交」 と、文法が正しいのかわからないが、こう紙に書いて 渡してみただけなので未だに中国の詳しい性の実情はわからない。 ただ売春はたくさん行 われており、相場は100元(1600円位)くらいだった。 蛇足だが、北京にあった日本 人留学生御用達のウラ本屋の親父は公安に見つかり死刑になったらしい。



中国の食について・・・

中国は世界一食に対して真剣な国だと思う。美味いものに対する情 熱と不美味いものに対する寛容さは見る者の心を恐怖に陥れる。 食事の時間を 大切にするあまり、銀行が朝の11時から昼の2時前まで開かないのは痛かった。 「お願いだからお昼は交代でとってください」

市場ではありとあらゆるものが売られていた。 よく 「飛ぶものは飛行機 以外、4つ足のものは机以外、2つ足のものは母親以外なんでも食う」 というが、きっと彼らは母親でも美味ければ食べてしまうんじゃないだろうか?

  **瀋陽近くの市場にて**
  無念の犬死に。突っ張った足が素敵だ
  4つ足でテーブルじゃないから食べれそう
 

モスクワに野良犬がいた。スズメと人との距離が近いのに驚いて写真を獲っ た。 モンゴルでは野良犬はただそこにいるだけ。愛玩犬、野良犬、番犬を モンゴルの人は驚くほど区別 していた。 野良犬に餌をあげたり、なでたりすることは彼等からすると理解できないことのようだった。 とても可愛い のに。 どんなに腹がへっても野良犬は店や家の中に入ってはこない。ボコボコにされるの を知っているんだろう。

中国に入って一週間経った頃、ふと気がついた「まだ野良 犬を見ていない。」聞いてみた。「ペットショップができたのがここ数年ですから。 野良犬、野良猫はまだ厳しいでしょうね。」前述の大学院生が教えてくれた。  冷静に考えてみると、中国に入ってから鳩を見たことがない。雀も いない。海辺に行ってもカモメもカモもペリカンもいない。 畦道を歩いてもバッタすらも 見たことがない。 中国を何千キロとバスで列車で旅してきたのに、考えてみれば 空に鳥一羽とて飛んでいるのを見たことがなかった。 ほんのちょっとゾッとした。 何処に行っても聞こえる騒音と混雑は全て人民によって作られていた。 たまに馬やロバが荷をひきアヒルやニワ トリが放し飼いにされているくらい。確かに鳩や雀は食用として売られているのしか 見たことがない。カラスすらいない。蠅だけは多い。恐ろしい国だ。みんな食ってしまう のである。(本当)

ロシア国境に近いハルピンの街でようやく鳩を見た。 ロート製薬のCM以来だ。  餌をやっている親父さんの周りに人垣ができていた。 それくらい珍しいんだろう。 



北朝鮮について・・・ 

最後の秘境に行ってきます。チョモランマもカンチェンジュ ンガも全て捨てて。三泊四日で900ドルもろもろで1000ドルくらい。いろいろ 調べてこれが底値のようです。 現在の所持金は950ドル+44000円。 旅を続けること はおろか日本に帰ることもままなりません。

10月5日から10月8日の北朝鮮を終え たらすぐ香港に向かう予定です。 14000円くらいでバンコクへの飛行機があるはずなん で、 そのどちらかで仕事を探そうと思っています。 もうすぐ旅を始めて2ヶ月。 あっと いう間でした。 仕事がなければ路上生活を覚悟しないといけないかも。 

こんな時に敬愛する将軍様がいて 「ウリナラ、帰ってきて欲しい」 と一言いってくれたら、一文無しの状態でも笑って帰ってこれるのに。 そう思うとホロリとします。 人間歳をとると涙もろくていけません。  かなり尻切れトンボです が、また手紙を誰かに頼んで出します。

敬具





2002年現在、旅を終えて3年が経って、久しぶりに読みかえしてみると 「金の心配と中国人への悪口」  ばっかりですな。

ここで人民兵がなにをいいたいかというと

「死語硬直した犬の足の硬さは、重力に勝る」ということだ










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初版:2001年11月31日、