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主体思想塔

旅日記番外編
〜農沢君の北朝鮮日記(1)〜
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主体思想塔


この番外編について
この文章は人民兵と一緒に北朝鮮に行ってくれた友人農沢君が書いてくれたものです。 意味の通じない部分に注釈をつけたり、多少の補足はしてありますが、基本的に彼が送ってくれたものを そのまま掲載しています。正直に言うと、この文章が面白いのかどうか人民兵は自信が持てません。 ただ、同じ経験して、全く違う視点から物事を捉えていたりするので、個人的には大変興味深く読ませてもらいました。 まだ人民兵の北朝鮮旅日記を全部読んでいない方はそちらから読まれることをお勧めします。

     
 
10月6日 火


 北京空港の外で野宿。翌朝9時25分、大連経由平壌往きに何とか乗り込むことができた。 空港の免税店なるものは初めてなのでのぞいてみる「やすくないやん!」タバコも安いのがない、安いけど元が高いから高い。貧乏人には縁がない。飛行機は小さくて狭い。 乗る時にビジネスクラスも見たけど"新幹線と何も変わらない。国際線がこれかい。人が多かったのが意外だった。 日本人らしき人もいた。飛行機に乗るためバスに乗った時、平壌往きかどうか聞いたらムシされた。

持っていたパスポートを見るとルーマニアだった。森本さんいわく「ロシアは全員こんなんだよ」"恐るべし共産圏"  中国人たちがやけに食料と花を持っているのが不思議に思ったが"やっぱさしいれんだろ〜、食糧危機だし"  空から見る北朝鮮は山と田んぼのみ"おいおい、人おらんで!大丈夫なん?"

 ついに到着してしまった。空港の内側には金日成と「PHONG YANG」の看板、めちゃくちゃ写真撮りたくて警官に聞くと「NO」、撮りたいけど仕方ない、ここは北朝鮮なんだ、何が起こっても仕方ない。  税関の所でとまどっていると日本語を話すオバサン登場、助けてくれた、ガイドで金さんというらしい。 彼女の胸にはしっかり金日成バッジがついている。なぜか税関申告所に日本語バージョンがあったのにはびびった。 "そんなに日本人がはいりこんでいるのか?それとも日本を意識してのことなのか?"いきなり謎にぶちあたった。 それに中国人とかも自由に平壌に入れないはずだ、ツアーなのか?聞いた所によると中国人用のツアーは2000元(約3万円)ぐらいからあるらしい、どこに泊まるんだ。
着いてすぐに平壌市内の見物、ワゴン車で移動、ドライバーがいるのは分かるがもう一人いる。 日本語が話せる眠さんという男性、こっちは二人、向こうは三人、"なんじゃそら!"

まずはじめに行ったのがチュチェ思想塔、北朝鮮の思想を表現したというわけのわからん塔、170m。 横にある大洞河には噴水があり水が150mの高さまであがるらしい、"なんじゃそれ!?"
川でボートに乗ってる人がいて金さんが
「今日は秋分でお休みなのでボートに乗って遊んでいるんです」と言っていたがおかしい。 岸の近くにみんなかたまって漕いでいる様子がない。"俺たちに見せるために乗っているのか?"

話はとぶが空港から市内まで走る時に人が思ったよりも歩いていて、そんなに食べ物に困っているように見えなかった。 "平壌市民はやはり特別なのか?" ガイドいわく
「今日は秋分でお休みなのでみんなお墓参りに行ってその帰りなんです」
でも飛行機からじゃそんなに人がいるようには見えなかった。 ドライバーがぼた餅のようなあんこの付いた餅をくれたので食べてみたが、"甘くない!砂糖は貴重品なのか?" 道を歩く人たちに笑顔がない。

チュチェ思想塔の上にのぼれるというので、のぼるために地下の入り口に行くとエレベーターの前に7〜8人いて全員金日成バッジを付けている。 最上階にある展望台から市内を一望できる。街は見事に区画整理されているが生活の臭いがしない、ボートは動かない、何かがおかしい、降りようとするとなぜか他の連中も降りる、何かすごくわざとらしさを感じる。
その後に共産党の50周年記念の建設物を見に行った。どでかい手が3本あり、金槌、鎌、筆を持っている。 筆はインテリの象徴らしい。"インテリって何なん?"チュチェ思想塔にいた連中がここにもいた。 その中のサングラスをしたおやじがこっちをじーっと見ていた、"監視されているのか?"鳥肌がたちそうになった。 その場所専門のガイドがいるらしく親子連れが出て来た。わざとらしい笑顔で解説してくれた。

パリのより10m高いという凱旋門を見に行くとチマチョゴリを着たガイド登場。 めちゃくちゃタイミングよく出て来た、"この人はずっとここで待っていたのか?"とりあえず、デカイ!そして新しい、屋根が乗っているのは変だった。
"んで、何の凱旋門なん?"

その後、中国ビザを取るため中国大使館を訪れたけど、どういうわけか取れないといわれて明日の朝来いと言われた。 森本さんに手を借りて代理人申請ということでなんとか取れるらしい。 関係ないけど交通整理しているおネエちゃんすげーキビキビしてて中国人に見せてやりたいぐらいだ。 サングラスをとればかわいいんじゃないだろうか?

いつだったか、金さんと眠さんがどこかにいって、車の中でまっている時外に軍服を着た女の子がいて少し不機嫌そうにしていた。 こっちをちらっと見て思いっきり不機嫌な顔になった。森本さんは早見優似でかわいいといっていた。 交通整理のおネエちゃんもいいんじゃないかというと、「あれは、動きがこわいよ」"確かに、そうです" 戻ってきた金さんいわく「彼氏がデートに遅刻して怒っているんです」北朝鮮で初めて感情を表している人を見た。

今日泊るホテルのある妙香山に向かった、平壌から近いせいか飢えた人は見なかった。 でも壁がぼろぼろになった家なんかがある。とりあえず笑顔がない。

途中デパートがあって、ショーウィンドウには物がなく、人がいそうにない、中にどんな物があるのか?
「買い物をしたいんですが?」
「ああ、いいですよ。また今度来ましょう。」
(あかんてことかい!それとも次行くまでに物を集める気か?)

その他にボーリング場、映画館、地下鉄の駅、人が利用している感じがしない。 ただロータリーバスだけが人をいっぱい乗せて走っていた。

妙香山のホテルはピラミッド型のどでかい豪華ホテル。 ビビった、暗い、ホテルの顔ともいうべきロビーがあまりに閑散としてくらい。 部屋は7階の19、7階にあがると電気が全て消えていて真っ暗。 その中を金さんが「電気が付いていませんね」といって闇の中へ、"こえ〜よ〜!900$のお化け屋敷やん!" 部屋で明日の日程、7時半にモーニングコール、8時に朝食ということを聞いて別れた。

夕食のメニューはご飯2杯・野菜炒め・魚のフライ・羊とネギの炒め物・チキンの足・焼き豚のような物・肉とネギのスープ、肉ばかりだ。 おそらく夕飯のメニューにこれだけ肉があるということは、逆にいうとそれだけ民衆に肉が行き渡っていないということか? 別に美味くも何ともない。量も少ない、レストランは広く、うす暗い、BGMもない。 食器のカチャカチャ言う音が響いてもの寂しい。
「森本さん、はじめここに一人で来る気だったんですか?」
「うん、でも君がいなかったら泣いてたやろな」
"そうだよな〜、二人でも泣きて〜よ!!"

食後森本さんがウェイトレスに話しかけていた。 その中で森本さんが「Do you like this country?」笑顔で「Yes!」"ほんまかい!俺はもうすでに嫌だぞ!!"

途中から中国人とおぼしき家族4〜5人が来て、にぎやかに楽しそうに食事している。 "うらやましい…"中国人をうらやましいと思ったのは初めてだ。

金さんと眠さんが来て「買い物にいきましょう」というのでロビーでお買い物。 通貨はウォン、ホテルに着いた時に部屋で両替してもらった。1ウォン=60円、高いのか安いのか分からん。 ちなみに兌換紙幣。買い物といってもろくな物がない、どうでもいい切手を少し買った。 その中で『金正日選集9』日本語版発見!! "なんだこれ!頭悪そうな顔してこんなん書いてんか!? 読みて〜!"  買ってしまった。

後で思ったが二人はどうしてレストランに来たのか?たいした用もないのに? タイミングよくウェイトレスにしゃべりかけた時に? おそらく、どこかから監視していて、ウェイトレスにしゃべりかけたから来たのだろう。 恐くなって鳥肌がたった。どうせ部屋も盗聴&隠しカメラだろう。

ホテルのソファーで西洋人3人、東洋人1人がトランプをしていたので「Hello」と言ってみた。 完全無視。また東欧かと思い、「Where are you from?」 「America」アメリカ人にさえこんな対応をされるとは、"北朝鮮だからか?" "何なんだ?全てが分からない、謎だ!!"

夜二人でベランダから見ていると2つ光が見えて、不思議に思い行ってみることに。夜歩くのは恐すぎる。 それにベランダから外から話す声が聞こえた。聞こえた辺りに当然人はいない。"来るべきではなかったのか? "光の正体が街灯だと判り、川辺におりてながめていると前の家が不定期に光が消えたりついたりして人影が見える。 とてつもない恐怖感が全身を走った。森本さんが好奇心満々で近づいて行く。 "それは、ヤバイんじゃないでしょーか・・・"襲われてもいいようにナイフを持って後について行った。 前まで行ったが人の気配はない、さらに森本さんは割れた窓から覗いている。 "大丈夫なん?こえ〜よ〜"光の正体は分からなかったようだ。

そろそろヤバイかと思って帰っていると車が向こうから来て去っていった。 しばらくすると車が後ろから来て真横に止まった、"拉致られる!!"真剣に思ってしまった。 でもドライバーの運ちゃんで探しに来たようだ。なぜ今頃都合よくここにいるのか? どうして外に出た事を知っているのか?やはり監視されているようだ。 ドライバーは先にホテルで待っていた。そして部屋まで付いてきた、 "外に出るなという事か!"森本さんは7階の一番右端、俺達の横、ガイドの部屋の窓に人影がうつっていたようだと言っていた。

部屋で二人して盗聴器を探した。部屋を一望できる所に小さな穴が。
「森本さん、伏せて、隠しカメラっすよ!!」
「これは違うんじゃないか?」
そう言って紙を丸めて突っ込んでいる。"でも場所が部屋を見渡せるしな〜、隠しカメラじゃないのかなあ?" 森本さんはベッドの横のラジオに向かって「こら!聞くんじゃない!!」と格闘している。 "森本さん、それだけ叫べば盗聴せずに聞こえるんじゃないですか?"とりあえず監視される気がしてならない。

TVには金正日の静止画像ばかり。抑揚のついたアナウンス、内容は不明。日本でいう皇室日記みたいなものか? ところで、昼間車中で日本赤軍の話になった。日本赤軍のメンバーは北朝鮮で日本人女性と結婚したらしい。 "どこに日本人女性がいるんだ?"
「日本から来るみたいですよ、結婚しに。十人十色じゃないですか。」

"それって拉致って言うんじゃないですか?"日本で拉致された女性はスパイに仕立てあげられるだけでなく、 赤軍の妻にまでなっているようだ。"とんでもない国に来てしまった!!"



   





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初版:2001年11月31日、