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まだまだ遠い北朝鮮


北朝鮮旅日記の主な登場人物

森本人民兵    : 「面白ければなんでも許される」が座右の銘。胸に、
           金日成バッジを輝かせて世界を旅する自称ナイスガイ
農沢君(仮名)  : 「僕、総理大臣になりたいんです」が酔った時の口癖。
           1円単位の買い物で中国人と喧嘩する熱血漢
金さん(ガイド) :  「金正日総書記は文学芸術等に大変深い造詣をお持ちで
           いらっしゃいます」日本人より日本語が堪能。四十代女
           性ガイド
ミンさん(ガイド): 人懐っこい笑い方をする二十代男性ガイド。いい人なん
           だけど、自慢をしだすと止まらない
運転手(男性)  : 笑顔がチャーミングな五十代男性 無口。ミカン、菓子
           餅、その他 旅の途中に何度も「彼から」の差し入れが
           あった。

北朝鮮までの苦難の日々・・・  

「どうも初めまして」 

だみ声だが完璧なアクセントで挨拶されてとまどう。  

中国・北京市 燕翔飯店2F。  CITS(中国国際旅行社)の紹介で北朝鮮国際旅行社を訪ねたのは1998年9月も半ばのことだった。 応対してくれたのは40代後半と思われる男性=金社長である。 生まれて初めて会う「北朝鮮人」に、のっけから興味をそそられる。

経済解放後の中国にいたので、はじめのうちは特になにも思わなかったが、 冷静に考えるとこの旅行会社は"国営"ではないのか?。 そんなことを思いながら、満面の笑みを浮かべる金社長に目を向けた。
ちょっと待てよ、
この人は "公務員"ではないんだろうか・・・?  

しばしの雑談の後、それとなく金社長の立場を聞いてみた。  

「一応ですけど、大使の資格を持ってるんですよ」

なんと、超エリートではないか・・・ 
聴くところによると この金社長は"平壌外語大の日本語科"を卒業したらしい。 後に我々についてくれたガイドの金さん(女性)の同級生にあたるそうだ。  「平壌外大日本語学科」にピンとこない人は、彼らの先生が噂の日本人妻で、 あの大韓航空機爆破事件の犯人、 蜂谷真由美こと「金 賢姫(キム ヒョンヒ)」の先輩にあたる と言えば分かりやすいだろう。

金社長の話す日本語に全く問題はなかった。早速、矢継ぎ早に質問を浴びせた。

「行けますよ、全く問題ないです。」

最も聞きたい"行けるかどうか"という切迫した問いに驚くほどあっさり答えられた。 (おいおいミサイル飛んだ直後やぞ ホンまかいな) 半分以上訪朝をあきらめていた私に、全然問題ないことを強調した後、「危険はないですか?」 という極めて率直な私の質問にはこう答えてくれた。

「ああ、特にないですよ。普通の国と同じですから  基本的に他の国でしてはいけないことさえしないで頂ければ。 ええ、大丈夫ですよ」

"普通の国と同じ"というフレーズにはかなり引っかかったが、 ここでこの人の印象を悪くしては北朝鮮入国の夢が途絶えてしまう。
ことは慎重に運ばねばならない。

金社長が出してきてくれた様々な資料やパンフレットを見ながら説明を聞いた。 彼の話し振りと充実した資料を見る限り、どうやら嘘ではないようだ。 問題は、申し込みをしてからビザが下りるまで最低2週間かかること、そして料金の高さだった。
旅行代金は頭割りで、一人 $1350 二人 $1000 三〜五人 $900・・・  と人を集めれば集めるほど安くなってゆくらしい。

長い間北朝鮮入国を夢見てきたとはいえ、人民兵はこの先いつまで続くかわからない旅の途中
即決するわけにも行かず、金社長にもらった資料やポストカードなどを手にいったんホテルに戻ることにした。



人集めについて・・・

早速人集めを開始した。留学生、駐在員から旅人まで 会う人、会う人毎に熱く語った。 いかに北朝鮮が恐ろしい国面白い国であるか、いかに私がその国に憧れているか。 しかし、人というのは勝手なもので   

「えっっ 行けるんですか? どうやって? どこで申し込むの? いくら? どんなとこなの?」

という感じで聞くだけ聞いて、いざ誘われるとなると  

「でも東南アジアに行くんで・・・」 

「学校あるから」 

「金がない」 

「生きているうちに孫の顔がみたい」

などと、みんな断りやがった。こっちは最低でも数十分かけて一生懸命説明しているというのに、無理なら端 から断りやがれ。


                                




   







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初版:2001年11月31日、