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(続編)モンゴルからの手紙

-- Love Letter From Mongolia --


どうも、人民兵です
えー ながなが続いて申し訳ないですが、旅先からの手紙続編です


手紙の続き・・・(後半)


ホーミーについて・・・

 

UBよいとこ一度はおいで! (写真右 ウランバートル駅)

モンゴルにはホーミーと呼ばれる歌い方がある。 低音と高音を独りで同時に出す歌唱方法だ。 口笛の様な高音でメロディを奏で、狼のうなり声のような低音で伴奏する。  これは言葉にできないほど不思議な感じがする。 テープorCDを買いたかったが 高かったのであきらめた。 生で聞くとかなり感動する。



魚(ザガス)について・・・

日本で幻と言われるイトウもモンゴルでは珍しくない(らしい)。 ガイドブックによると モンゴル人は殆ど釣をしな いので簡単に魚が釣れる、 らしい。少なくともその筈だった。学生時代 釣りサークルに所属していた 人民兵、ここぞとばかり勇んで釣りに出かけた。 一度は首都ウランバートル近郊で、もう一度は約50キロ離れた村で、最後に首都から 300キロ離れたカラコルムで。

しかし、いずれも全くダメだった。おかしい、モンゴルでは アホでも釣れるはずじゃなかったのか? 1mを超える、イトウを釣りあげ  開高建ばりに

「おーぱ おーぱ!!(意味不明)」 と叫ぶはずだったのに。

他人事で恐縮だが、釣り好きの友人がモン ゴルのへき地に出かけた際、地元の名人と称される男と釣りに行ったが、 異常気象の雨のせいで水がニゴり全く釣れない。しばらくして彼は

「ザガス(魚)、バッフコイ(無い)」

と言ってアルヒ(モンゴルウォッカ)を浴びる様に飲みヘベレケにな ってしまったという。そう異常気象のせいなのだ(?)。この話をきいた後我々日本人の間で 「ザガス・バフコイ」は流行語になった。



バフコイの恐怖について・・・

モンゴルではよく「バフコイ(無い)」という言葉をよく聞く、中国の没有(メイヨウ)」とほぼ同じだ。

例えば君が夜8 時以降にゴアンズ(モンゴルの安食堂)に入ったとする。

「ボウズ(モンゴル風肉まん)をくれ」

「バフコイ」

「じゃあホーショル(平たい揚げ肉マン)をくれ。」

「バフコイ」

「食うものあるか?」

「バフコイ」

「飲むものあるか?」

「バフコイ」

モンゴルの食堂はどこでも二種類の食べ物しか置いてないというのに、 それまでなくなってしまうのか・・・ といっても、こんなものまだまだ序の口で、 地方に行った際チャーターしたジープのガソリン(こちらではベンジンと言う) が切れてガソリンスタンドに行った時、スタンドのおっさんが一言

「ベンジン バフコイ」

こうなると首都のUBからベンジンが来るのを、ひたすら待つか、闇のベンジン を高い金で買うしかなくなってしまう。



ベンジンについて・・・

モンゴルで生活をしていると不思議なことが多すぎて、ついつい小さな疑問を見過 ごしてしまいがちになる。 私がカラコルム(チンギスハーンの時代の都、今はただの 田舎町)に片道300キロメートルをバスで往復した時も往路は4580Tg(トゥグ リク・・・1円=6Tgくらい)だったのに、帰りは5200Tgとられた。  別に気にもしなかったが、一人の納得のいかない日本人が その理由を尋ねたらしい。 答えは

「そんなもん、地方に行けば行くほどベンジンが高いからにきまっとるやないか」



道について・・・

モンゴルの道は悪い。中国に来て道のきれいさ、車のきれいさ、にまず驚いた。世 界三大地獄交通機関に"中国のジャンピングバス"というのがあるらしいが、カラコルムまでの往路、 軽く30センチは飛ばせて頂いた。車に乗っていて完全に尻が宙にうくという 感覚は日本ではなかなか味わえないので、私がキャッキャッと笑っていると運転手や乗客が "はねる"度に私に微笑みかけるようになった。 何度も座席から跳ね上げられて、 天井に頭を数回激突し、心の中では「もういいかげんにしてくれ」と思い始めても、  車が跳ねるたびに運転手は得意げに私の顔を振り返る。  良かれ悪しかれモンゴルはそんな国である。



娼婦について・・・

地球の歩き方にはたまに信じられない様な記述を発見することがある。ロシア編にはこうあった。  「ホテルの側にはよく娼婦たちが姿を見せる。彼女達の多くはたいへん美しく "日本人の白人コンプレックスも手伝い"一夜を共にする者も多いが、危険がつきまとう・・・」 素直にすごい表現だと思った。

蛇足だが中国編の後ろについている旅先の中国語会話  ”食堂・レストランで”の所に「虫が中にいます。」(有虫子 ヨウチョンズ) とある。 これって「地球の歩き方イタリア編」とかでは絶対にないですよね?

金に余裕はないが、勉強のため、ロシアの売春婦とやらに値段交渉をしたいみたいと思っていた私だが、 モスクワでは、二日の宿泊のうち初日はお目にかかれなかった。 市内で過ごす最終日の二日目、気合を入れてあちこちふらついてみると夕暮れの薄明かりに それらしい人々がいた。

暗くてよく見えなかったが、偶然私はその日、夜食にとザリガニを二匹買い、袋すらもらえなかったので バルタン星人の様に指に挟んで歩いていた。 リッチな外国人 相手の彼女達がザリガニを両手に挟んだ人民兵に声をかけてくる筈もなかった。

モンゴルでは娼婦たちが5000Tg(800円強)で買えるそうだ。しかしモンゴル人 や 他の外国人に言わせるとそれらは、モー(悪い)なのだそうだ。サエン(良い)のは?と聞く とやはり100ドルくらいするという・・・ 何だこの差は? 若さか? 容姿か?  技術か? サービスか? 安全性か? ここモンゴルではB型肝炎のキャリアが非常に多く エイズも増えているらしい。 彼らの生活を見ていると、「そら君達感染しても しゃあないわい」と思うほど男性も女性もスキンシップが多い。



自然について・・・

人民大学で生物学を専攻していたこともあり、自然を見る目には自信があった。  出発前は、ロシアーシベリア鉄道から見るタイガ、モンゴルで は大草原の生態系を見るのを楽しみにしていた。 しかしシベリア鉄道周辺には人がけ っこう住んでおり、タイガも日本の杉林と大差なかった。 モンゴルに至っては土が貧 弱でただ広いだけ。 真に《ぜい弱》というにふさわしい。"大草原"というより草しか生えていない。 やせている癖に水はけも悪く保水力も全くない 。 従って清流など望むべくもない。 ゴビ砂漠などでは360度星が降ってくる様な感動を味わえるが、 団体旅行の女子大生みたく「わー自然が豊富!!」などといってはいけない。 断言するが日本の自然の方がはるかに素晴らしい。 北京の故宮(柴禁城)、 モスクワのクレムリン、その他建築、芸術等を見る度にその凄まじさに驚かされる。  確かに日本には独自の"わび・さび"があるとはいえ、日本が誇れる文化なんか何もない 様な気もしてくる。 今半ば確信しているのは、この先チベット〜ネパールを抜けチョ モランマ・K2・カンチュンジュンガ等の8000メートル峰を間近に見てくるつもりだが、 きっと日本の自然に対する誇りはうせないであろうということ。 我々は本来 は、本当に素敵な国に住んでいると思う。



モンゴルの良さについて・・・

ラマです (*写真右 モンゴルのおじいちゃん)

ビザのミスもありモンゴルには25日間もいてしまった。
何があるわけではないがザハ(自由市)の活気と、遊牧民独特の人を受け入れる雰囲気がとてもよかった。
ザハでは生きたタカを売りつけられそうになったり(買うかい!!)、
「神戸中学 田中」など《刺しゅう》の入ったジャージが売られていたり、非常に興味深かった。

因みにこういった日本の中古のものは殆どチャリティーの横流しだそうで、
日&モンゴル友好なんちゃらの主催するチャリティーなどに送られてきたものをこちらで売って 団体の日本人職員とかが儲けているそうだ。
これはアジア全般で行われているそうで、その浅薄さにはすこしアキれてしまう。
しかし街でよく見かけるクロネコヤマトや佐川急便(もちろん中身は違う)のトラックはや はり北海道〜ロシア〜モンゴルと来たものなんだろうか? 

極めつけは金沢市消防局の救急車が走っていたことだ。サイレンはまだ動くのだろうか?

モンゴルの人は皆親切で好奇心が強い。
広大な国土にたった200万の人口(人口密度世界最低!!)
ということもあるだろうが、とにかく人に対して常に心を開いている。
もしあなたがモンゴルでゲルを見かけ、中に入りたいと思えば
「サン・バイノー(こんにちは)」
といえばオーケー、あとはニコニコしているだけで
馬乳酒(酸っぱいヨーグルトみたい)とかスーテイ茶(乳茶)
とかを出してくれる。 しつこく居続けるとおもむろに彼等はモンゴル風のうどんを打ちはじめごちそうしてくれる。
干しチーズ(アロールという:まずい)などもくれたりする。

日が落ちると勝手に眠ってもいい。
こんな信じられないことがこちらでは日常茶飯事。
ゲルの中に入って茶を飲むだけなら100パーセントの確率で成功する。
それにしてもだだっ広い一区画の中で一族10人くらいが生活しているゲルの中に、
生々しいくらいの乳呑み子を見るにつけ
「どこで営んでいるのか?」と凄く気になる。



気象について・・・

異常気象で雨が多かった。まともに星を見たのは一度だけ。もったいない・・・。 日本人宿の主人(日本人)が 「今年は雨が多くて干し草がくさるから何万〜何 十万頭の羊が死んで、秋には羊肉がやすくなるでしょうね。」と言っていた。 本当かな? と思ってモンゴル人に確認すると 「そうだね。それに家畜を失った人が職を無くしてウランバ ートルに来るから治安が悪くなるだろうね」・・・ ホンマでっせ!!



この先の展望

 

こんなものすこしづつ書きながら旅してると状況が刻一変わります。今日は9/1 8。北朝鮮に金さえ出せば行けるということが判明し迷っています。もし行くことになれば $900〜$1000くらいかかってしまうので、 所持金≒0になってしまいます。 中国に戻ったら 速攻で香港に渡って不法就労の途を探そうと思っています。そ れもいいかな? 迷い多き今日この頃、ピョンヤンからの手紙つくかも・・・。まっ てて下さい。 もしいくなら申し込みは明日・・・ああそうしよう。   ではでは。

モンゴルからの手紙 〜1998年9月18日〜




いやいや、結構むちゃくちゃなことを書いてますな・・・

穴があったら入りたい気分ですわ・・・

当初の予定と旅行自体がかなり変わってるし・・・

ここで人民兵がなにを言いたいかというと、 「人は日々変わっているので、古い手紙を読みかえすと恥ずかしくなることもある」 ということだ

                             







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初版:2001年11月31日、