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コミッション社会 ベトナム



  「再び行く必要のない場所を確認するために旅をしているのかもしれない」誰かがそう言ってました。 実際たくさんの場所を通り過ぎてたけど、生きているうちにもう一度訪ねたいと思える場所は、 あまりありませんでした。 正確に言うと、もう一度行ってみたい場所はたくさんあります。 ただ 同じ時間、 お金、 精神力を持って旅するのであれば人民兵は過去に行った場所を再訪するより 未知の国に憧憬を抱くということです。

その逆で、数ある国の中でも、あんまし行きたくないな と思ってしまうのがベトナムです。  理由は単純明快。 まず見所の無さ、それとコミッション社会の鬱陶しさ。





見所がすくない・・・

嘘と思われるかもしれないが、ベトナムには
ポストカードが五種類しか存在しない。

ベトナムからのポストカード (*右は人民兵お気に入りのポストカード*)

「アオ・ザイの女性」 「投網打つ漁師」 「少数民族」 「水上マーケット」 「水牛さんと白い鳥」。   南北に細長いこの国で 四〇〇〇キロくらいを往復(サイゴンと首都のハノイは 一八〇〇キロ離れてい る。)してみたが、ちからいっぱい見所がない。

海辺のリゾートはあっても、肝心な透明度が高くないし トップレスの女性がいるわけでもない。 チャンパ王国の遺跡くらいしか名所旧跡がない。 自然の絶景のようなものはほぼないし、 1000年近く中国の属国に甘んじていただけに 特筆すべき文化、芸術もみあたらなかった。

強いていえば、ベトナム戦争当時、南ベトナム軍に対抗した共産ゲリラが遺した「クチトンネル」というのがある。 総延長200キロを越えるといわれるそのトンネルは、限りなく狭く細く続いている。 ジャングルの中で巧みにカムフラージュされたその姿は 訪れる人にある種の感慨をおこさせる。



コミッション社会とは・・・

見所のなさはひとまずおいて、
それよりもなによりも腹の立つのが 「人」 だった。
恐ろしいことにこの国は見事なまでに「コミッション社会」を形成している。
そもそも1998年当時、外国人料金(ツーリスト・プライス)
という過去の遺物が堂々と残っていた国である。
電車代、宿泊費、食費、その他一切に関して 我々は常にベトナム人の数倍の料金を請求された。
経済格差を考慮すると、二重料金というのはある程度仕方ないのかもしれない。
そうは思ってはみても 耐えられなかったのが その根拠のなさである。

汚い飯屋でも、外国人料金の名の下に一.五倍から五倍、
ときには10倍くらいの値段をふっかけてきた。
飲食を含めたサービスを受ける前の値段交渉に細心の注意が必要だった。 

バス料金に関してだけは外国人料金を撤廃したはずなのに、
10倍以上の値段を払わされた人もたくさんいた。

人民兵も、ある町で 公共料金の2倍まで払うと譲歩したにも拘わらず 3台のバスに乗車拒否され、
漸く捕まえた4台目のバスから途中でつまみ出された。
「我々は同胞だ」とか言って胸の金日成バッジを見せたが、かえって逆効果だったかもしれない。
肩にずしりと重い荷物を抱えて、泣く泣くホテルに帰った。  

商売人が強欲なだけならまだ良い。

例えばこんな経験は日常茶飯事だった。
ある日、人民兵が汚い飯屋にはいったときのこと。 いつもしているように周りを見渡すと、 見知らぬ(当たり前だけど)男が定食のようなものを食べていた。 「これと同じのがほしい」と店の人間に伝えて男の前のいすに座る。「こんにちは ところでそれはいくらだい?」 そう尋ねた。「15000ドン(約150円)」男はにこりともせず答えた。

直接店のおばさんに値段を尋ねなかったのは  ぼられたくなかったからなのに「15000」とは少し高い気がした。 
おかしいと思ったので、わざとゆっくり食事をして、なかなか勘定を済ませない男を観察することにした。
横目でこちらを伺いながら何をするでもなく彼は小一時間ほどつぶした。

あまりに人民兵がゆっくりとよく噛んで食べるので(消化にいいのだ)
彼は諦めたように支払いを済ませた。
目を皿のようにして見ていると、男は確かに10000ドンしか払っていなかった。  

つまり私が15000ドンを気づかずに払ってしまったとしたら、男は私が行ってしまった後 自分の取り分を店主に要求しただろうし、店主は彼の取り分を少なくするように 交渉をはじめただろう。  

2000ドン(20円、今考えるとめちゃめちゃ安いのう)のフォー(ベトナムうどん)を食べようとして、屋台に座ると、 指を2ホン出して 「ピーポワン ピーポワン(2000やな? 2000やな?)」 と確認が欠かせない。店の婆さんも、指出して「ピーぽわん ピーぽわん」とうなずいてくれた。 そんなときでも必ず隣から 「ふぁいぶ サウザンド  ふぁいぶ サウザンド」  といって英語で割り込んでくる人間がいる。  

道を歩いていると「ホテルは決めてあるか?」と子供から大人まで近づいてくる。 彼らに案内されたホテルは、きっかりと相場より10000ドン(若しくは1ドル)高くなっている。 たとえ、予め宿泊予定のホテルを決めていても誰かが必ずついてくる。 そこでチェックインの寸前に割り込んできて

「俺がこの客を案内してきた」と主張する。ベトナム語なので詳しく分からないが 自分の手柄をあれやこれや、大げさに吹聴しているのだろう。  

長距離バスターミナルなどに行こうものなら、たちまち付近にいる10人近くの人に囲まれる。 バイクタクシーの運転手であったり、売店の兄ちゃんであったり、ただの客であったりと様々な人たち。 そいつらが一斉にわめきはじめる

「 ほえあ ゆー ごう  ほえあ ゆー ごう」

「 はうまっち ゆー ばい(ぺい といいたいんだとおもう)」

こちらに法外な値段を吹っかけて、運転手との間でマージンをとろうとする。 メジャーリーグ顔負けの「代理人」制度だ。 なんだかどこに行ってもがっかりすることが多かった。



ホンダガールについて・・・
 

ベトナムではバイクのことをホンダと呼ぶ。 故にヤマハのホンダ やら  スズキのホンダ などが存在する。 ところで、バイクに乗って今晩のお相手を探す売春婦を ホンダガールと呼ぶ。因みにバイクを 使ってひったくりを繰り返す2人組の男達をホンダカウボーイと呼ぶ。 なにしろ、美人の多いベトナムのこと、彼女たちとの遭遇を楽しみにしていたが 幸か不幸か、警察の取り締まりが厳しくなり 殆ど姿を消してしまったようだ。

尤も、ホンダガールに連れていかれたホテルで待ち伏せていた男達に、外国人がぼこぼこにされ 身ぐるみはがれた・・・などというのは珍しくもなんともないので、流石に警察も動き出したんだろう。 バイクタクシー、シクロなどに裏道に案内され、10人くらいに取り囲まれボコボコ・・・というのも よく耳にした。安全第一に考えたら、バイタクなど使う前に 親切に「タクシー呼んであげるよ」 などいってくる宿の主人とかに頼めばいいが、当然その値段にはコミッションが入ってくる。



ベトナムの衣装について・・・

アオ・ザイというのをご存じだろうか。ベトナムの魅力を語る上で忘れてはならないのが、女性の、というより 女子高生のアオ・ザイ姿だ。  

あなた元気? わたし近畿 (*左の写真 典型的なベトナムの女子高生 編み笠がいい感じ。 生でみるともっとスケスケです)

この民族衣装は、色々な柄があるのだが、ベトナムの女子高生はシルクの純白を身にまとっている。チャ イナふうの上衣から、パンツの組み合わせが絶妙。過去に幾多の旅人と会ってきたが、 「ベトナムから戻ってきた」「これからベトナムを目指します。」そういった者たちは皆口々にこういった。 

「白いアオザイが良かった。」

「あのアオザイの女子高生を一目見たら・・・」

「噂の白いアオザイを見ないうちは死ねないすよ」 etc.  

ベトナムに実際着いて、噂の女子高生の集団に出くわした。美しいの一言。しかし、これ以上エロチック な制服がこの世にあるだろうか?  

あくまでイメージです (*写真右 これはイメージです)

細かい採寸による完全オーダーメイドで、女性のラインを誇るかのように胸からウェストに張り付いた布 とくっきり浮き上がるブラジャー。 燕尾服ではないが、前後が大きく垂れており、上衣のスリットは胸の直 ぐしたまで入っているためにおなかが5センチほどみえてしまう (ナマバラ)。 更にそのしたに同様、純白のシ ルクで作られたパンツと遠目でもわかるパンティのライン・・・・スケスケという言葉はこの服のためにあ るのではないか とさえ思ってしまう。 黒の下着なんかはこうものならえらいことになる。  

「 おお・・・  おお・・・  おお・・・」

と一人、また一人過ぎゆく毎に あほのように振り返り振り返りしてしまうのであった。  

それにしても不思議な、高貴で、それでいて純粋であり、清潔でエロチックでもある。 天使の裸体を見て しまったような不思議な気分になる。 女性の美しさを演出させたら、この衣装は世界一ではないだろうか。  肥満が少なく色白、美人の多いベトナム人が着ているからまた様になっている。  

ベトナムに来た日本人女性旅行者は殆どが、このアオザイをオーダーしてゆくという。 この衣装が 「美し い者はより美しく、そうでないものもそれなりに」 演出してくれるということだろう。 あまりに綺麗なので、 その当時4年間も片思いしていた人民女子挺身部員の為に思わずオーダーしてしまった。 なけなしの金をはたいて航空便で送ったのに 、 帰国した後も今日まで一切連絡がない。 果たして一度でも袖を通してくれたのだろうか? もしかして スケスケ の下心満載のプレゼントにご立腹してしまったのか? 女心はまったくもって理解できない。


ここで人民兵がなにを言いたいかというと、

大人になってもわからないことはたくさんある ということだ。












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初版:2001年11月31日、